【イベントレポ】良き「記事広告」のために大切な編集とセールスの関係

仕事始めの月曜日、6/4の夜19時半。
ひときわ目を引くシックな雰囲気漂うビルの3階で行われた、「記事広告」のイベントに参加してきました。

おさむちゃん
控えめに言ってめちゃくちゃ面白かったです!仕事始めの月曜日からこんないい話が聞けるなんて…。
まあ、主夫の僕には仕事始めもクソもないんですけどね(`・∀・´)

 

営業が数字ばっかり意識して編集・ライター側のことを無視した記事広告案件を取ってくる。
頑張って取ってきた記事広告の案件を、ライターや編集が伝えた通りにやってくれない。
記事広告ってとにかくビューが命なの?

少し極端ですが、こういったコミュニケーションミスが発生している状況をいかにして解決していくのか。記事広告ってどんなポイントに目を向ける必要があるのか。そんなヒントが詰まったイベントでした。

すでにちゃんとしたレポートは出ているので、個人ブログらしく、私見をたっぷり入れてお伝えします。

メディアで働いてる編集者やライター、セールス担当の人はもちろん、これからライターや編集者として活躍していきたいという方も知っておくべき内容ばかりです。

 

目次

そもそもどんなイベント?

本題に入る前に、簡単に概要を掴んでおきましょう。

概要

すごく簡単にいうと、メディアにおける記事広告の位置付けを定めた上で、もう少し具体的な体制作りや作り方の話もしていこうよ!という感じです。

いきなり個別具体的な話をしてもダメだから、まずは記事広告ってなんなの?っていう話をちゃんとしとておこうということですね。

場所

会場はなんと、Pinterest Japanさんのオフィスです。
Pinterest
1階に入ってるカフェがスタバとかタリーズじゃない、おしゃれ感が満載のビル
Pinterest

もちろん、中もめちゃくちゃおしゃれです。
何気ないことなんですが、この椅子の脚は、ゆりかごみたいに前後に揺れる遊びがあるんですよね。

そういうこだわりが、さすがPinterestって思ったのは僕だけでしょうか。

登壇者

ゲストスピーカー3名とファシリテーターがこちら

飯髙悠太(いいたか ゆうた)
株式会社ベーシック執行役員 / ferret Founding Editor
 
広告代理店、制作会社、スタートアップを経験。複数のWebサービスやWebメディアの立ち上げに関わる。また、企業のWebマーケティングやSNSプロモーションをはじめ、50社以上のコンサルティングを経験。2014年の4月にWebマーケティングのノウハウが学べるメディア「ferret」の立ち上げにあたり参画し、同年の9月にリリースし、現在は業界No1メディアに成長。月間450万PV、38万人の会員を誇る。(2018年4月現在)
 
2018年2月にコンサルティング事業部を立ち上げ、東証1部上場企業を含め10社のコンサルティングを実施中。
 
清水直哉(しみずなおや)
株式会社TABIPPO 代表取締役
 
東京学芸大学に在学中に世界一周のひとり旅へ。帰国後、旅で出会った同世代の仲間と一緒にTABIPPOを立ち上げる。卒業後は、株式会社オプトに入社して、ソーシャルメディア関連事業の立ち上げや、当時の最年少マネージャーを経験。2014年4月にTABIPPOを法人化して起業を果たす。TABIPPOでは「旅で世界を、もっと素敵に」を理念として、旅を広めるために多角的に事業を展開。トラベルライターが旅の情報を発信するWEBメディア・TABIPPO.NETは月間480万PVを超えた。また「旅するように働き、生きる」を指針として、新しい時代の働き方や組織作りにも挑戦中。
 
長谷川賢人(はせがわけんと)
 
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科を卒業。2009年に新卒で紙の専門商社へ入社後、2012年に編集者/ライターへ異業種転職。㈱メディアジーンにて「ライフハッカー[日本版]」副編集長、㈱クラシコムにて「北欧、暮らしの道具店」編集スタッフを経験した後、2016年9月よりフリーランスへ転向。ウェブメディアの記事広告は執筆・編集多数。媒体はライフハッカー[日本版]、北欧、暮らしの道具店、WIRED.jp、ROOMIE、まぐまぐニュース!、ハフィントンポスト日本版、アニメイトタイムズ、KAI-YOU.net、SAKETIMESなど。
 
モリジュンヤ
株式会社inquire 代表取締役
 
1987年生まれ、横浜国立大学卒。2010年より「greenz.jp」編集部にて編集を担当。独立後、「THE BRIDGE」「マチノコト」等のメディアブランドの立ち上げに携わり、テクノロジー、ビジネス領域を中心に執筆活動を行う。15年、編集デザインファーム「inquire」を創業。17年、社会をアップデートするクリエイティブポータル「UNLEASH」を創刊。エンパワメントやウェルビーイングの実現のため、メディアやプロジェクト、組織の編集に取り組む。株式会社アイデンティティ共同創業、NPO法人soar副代表、NPO法人マチノコト理事。
 

 

個人的にすごく記憶に残ったことは3つ

トークテーマ

トークテーマは9つ。
個人的に、イベントに参加してすごく勉強になるな、と心にグッと残った部分は大きく分けて3つです。

  1. 記事広告の商品設計
  2. 受注〜制作時のコミュニケーション
  3. 記事広告の評価基準

では、イベントでどんな話が展開されたのか、一緒に見ていきましょう。

記事広告の商品設計で大切なこと

トーク雰囲気
おさむちゃん
他のレポートに使われてた写真をみて、「なんで俺、こんなつまんなさそうな顔てるんだろう」と、しみなおさんがつぶやいてたので、楽しそうな写真探しました!

 

まずは事業サイドからの目線として、記事広告の商品設計ってどう考えているのか?金額の話や受注単位の話からスタートです。

清水氏
タビッポ 売り上げ3割は記事広告 。大事にしているのは、自分たちにしかできないことは?ほかのメディアとの違いは?ということ。いわば独自性。
TABIPPOの一番の強みは旅人のコミュニティを待ってること。

基本的に、記事広告を単発で提案することはない。半年のマーケティングプラン 、一年のマーケティングプランの中でどう記事広告を使っもらうか。先のプランを実行させるための単発ならあり 。記事広告を単発では意味がない。

 

 

飯高氏
記事広告の価値はコミュニティ。自分たちのコミュニティに対しての価値。
街中で500円の水を売っても高いって言われるけど、砂漠なら安いんだよ。そういうこと。
100万円ならリスティング月30万円で3ヶ月回せるとかそんなのと一緒にしてほしくないよね。

価格なんて言い値なんだから。100万円のものは100万円で売らないと。

おさむちゃん
「100万円のものは100万円。価格は言い値。」名言が飛び出しました!直接的な記事広告の話じゃないけどすごく響く言葉。100万円の価値があることをちゃんとクライアントへ伝えろと。100万円の価値を認識してもらうのはセールスの大切な仕事ですね。というかビジネスの基本か。記事広告って言ってるけど、つまりはメディアの商品の話やもんな。

 

 

長谷川氏
ライターには事業サイドのことは関係ないかというとそんなことはない。ライターもいくらの商品を売ってるかを把握していれば価格の交渉もしやすくなる。記事広告の3割くらいが制作費に当てられているケースが多い。じゃあ、どれくらいまで交渉できるかも想像しやすくなる。

おさむちゃん
ただ広告垂れ流してるだけじゃなくて、興味が絞られた層に対して自分たちの言葉で、文章で、読者へ商品の良さを伝えるのが記事広告ってことか。確かに、ただ広告を目にするより、自分が好きなメディアが紹介してる方が興味も信頼もグッと高まる。それをちゃんとクライアントへ伝えないといけないってことね。

勤務してる編集・ライターにとっては、記事広告って自分たちの会社の大きな収益源としてちゃんと向きあっていかないといけないものだし、外注だとしても価格交渉の材料として記事広告のことを理解しておくのは大切っぽいな。これはセールスや事業サイドだけの問題じゃない。

 

受注〜制作時のコミュニケーション

商品設計の話題から、関連する話としてコミュニケーションの話へと突入。

 

清水氏
記事広告にはクライアントの目的がある。ここがうまく伝わってないと意図を汲んだものがこない。人が間に介在するほど意図を伝えるのが難しくなる。
実際、仕事を流して返ってきたら意図してたのと全然違う記事が上がってきたことがある。ここは丁寧にコミュニケーションを取る必要がある。

 

 

編集とライターは自分たちが作ってきたメディアという思いがある。だから、読者のための記事にしたい、広告はあんまり気が進まない 。代理店やセールスはクライアントの目的を大事にする。ここの方向性がうまく噛み合わない。

おさむちゃん
どこの業界でも同じようなことが起こってるんだな。人が介在すればするだけ話がぼけるし硬直的になってくる。納得いかずに作らざるを得ず、あとで確認したら自分が思ってた方向性でよかったこととかよくある。うん。
セールスって契約取ってくるのが仕事だから、うまくコミュニケーション取れてないと辛いよね…。サラリーマン時代を思い出すな…。

 

飯高氏
営業としては、売らないといけないタイミングっていうのがある。編集側があそこは嫌だとかいうと、営業的には数字を達成できなくてもいい、行かなくていい理由になっちゃう。でも、取ってきたものに対して、それは違うって言うならメディアポリシーはちゃんと定まっていないといけないよね。

 

 

長谷川氏
メディアポリシーとかメディアが得意なことが定まってるとうまくマッチする。普通に話聞いてたら、それこことめっちゃマッチしますよって話になって記事広告の話を取ってきたことあるんですよね。じゃあ、今度、営業呼んできますねって感じで。

おさむちゃん
メディアポリシーめっちゃ重要!事業のビジョン、商品や記事のペルソナ設定みたいなもんか。基準がしっかり定まってるとその基準に照らし合わせて合意形成できるし、意図からずれたものが生まれにくくなる。外注ライターとかでも、こういう所をしっかりと把握しておくといい仕事できそう。

 

 

飯高氏
広告という言葉が邪魔をしてる。広告主の思想を優先しすぎず、自分たちの世界観を大事にすることも大切。お金をもらっているという意識をなくした方がいいかも。そもそも自分たちのコミュニティに対しての記事なんだから、メディアのトンマナ、実現したいことを大事にしないと。表面的な目に見える成果を求められるような広告になっていく。

おさむちゃん
記事広告の価値はやっぱりコミュニティか。そこに受け入れられる形じゃないと、そもそもそのメディアで記事広告をだす意味がないもんね。誰に向けた広告なのかを意識しろと。

 

記事広告はどう評価するか

おさむちゃん
ここの記事広告の評価の話は特に面白かったです!必読!

 

飯高氏
記事広告から直接CVすることはほとんどない。記事広告の意味、役割を考える。記事広告っていうのは読者の態度の変容を作ってる。ビューで評価するのは難しい。バズはメディアの読者ではなく、バズをさせた人についてる読者。ビュースルーが大事。記事を読んだら、Googleで検索してページで調べてCVすることなんてよくある。ツールでどういう経緯でCVしたかわかる。将来的なCVのアシストをするのが記事広告。

(ビュースルーというのは、記事を読んだときに直接的にCVしなかったけど、そのあと色々な経路をたどった末にCVした数のこと。ちなみに、ここで話してたツールの名前はよく聞き取れませんでしたが、調べてみるとアドエビスというツールがあるようです。)

 

おさむちゃん
これは確かにそう!読者目線として。なんか良さげだなって思ってその場は何も行動しない。でも、その商品の話を誰かがしてたら記事広告のことを思い出すし、また気になったり、購入したり。興味が喚起されてるから、そのあとに何かしらのトリガーがあれば購入するケースはよくある。

 

 

長谷川氏
メディアのコミュニティにどんな読者がいるのかを知っておくことが大事ですね。ライフハッカーはCVが右肩あがり。ギズモードは右肩下がり。即購入したい層と比較検討したい層という違いがあるから読んだ後の行動が変わる。それをちゃんと知ってれば、何をKPIにするのかが明確になる。

 

 

清水氏
旅メディアはCVまでが物理的に追えない。追えないからこそ仮説をしっかり立てることを大事にしてます。あと、大事にしてることは、読了率と記事広告を見せたときの担当者の反応。担当者が「これいいっすね!」って言ってくれると、よし、みたいな。

 

 

長谷川氏
デジタルマーケって数字で効果がはかれることが利点じゃないですか。でも、記事広告は、電車の中でスマホで記事を見て、駅のコンビニで商品を買うということは普通にある。あれって誰の貢献なのか?ここが測れない。そういうことも理解しておくことは大事。こういうところが測れるともっといいんですけどね。

おさむちゃん
あとは、ブランドリフトや態度の変容を測るために定期的なアンケートが効果的という話もありました。いっぱいありすぎて全部は取り上げられない。
デジタルマーケの面とそうでない面があるからこそ、データが測れる部分はしっかりと測り、できない部分は仮説をしっかりと立てる、アンケートで調査するということが大事なようです。個人レベルのビジネスなら、リアルでの反応も含めてある程度の効果測定は可能かもしれないけど、規模が大きくなるとリアルまでは測定不可能。記事広告ってマーケティング施策の一つだから、マーケティング的な話になりますよね。めっちゃ面白い。

 

結論:記事広告はおもしろい!

全ての話が終わった後に、長谷川さんが「やっぱ記事広告って楽しい!ってならないとダメだと思うんですよねー。」と、心のそこからあふれ出たようにお話されていたのがとても印象的でした。

 

長谷川氏
記事広告って制作費があるから普通の記事よりもお金がかけられる。だから、どう面白くしようかって考えて取り組むといいはずなんですよ。僕は記事広告は普通の記事の3倍おもしろく書くって言ってるんですけど。ギズモードのときの伝説的な企画があって、液晶の保護カバーの強度を調べるためにスマホでエアホッケーしたのがあって。どこのゲームセンターでも使用許可が出なくて、どうしようってなって。最終的にホッケーの台をレンタルしたんですよね。そしたらでかすぎてオフィスに入らなくて。そうやって楽しむといいですよね。

 

そんな伝説的な企画はこちら(たぶん)
エアホッケーでスマホの液晶保護カヴァー「Z’us-G」をテストした

おさむちゃん
めちゃくちゃ面白いんでぜひ読んでください

 

まとめ

記憶に残ったところと言いながら、正直なところ、話がどんどん展開していってついていけなかった、という方が正しいかもしれません。

それくらい、密度の濃い1時間半でした。

 

メディアに携わるようになって一年ほどの僕には、初めて聞くようなお話やその場ではすぐに理解できないこともありました。
まだまだ勉強不足。

記事広告の話だったんですが、お話しされていたことは、商品の本当の価値をしっかりと見定めることやコミュニケーション円滑化のためのポリシーの大切さなど、他分野にも応用の効く内容かつ本質的な内容だったと思います。

そして、基本的なマーケティングの知識は必須だなと改めて気付かされた一日でした。
価格の話や効果測定の話、その先にある読者の行動、態度の変容など、まさにマーケティングの話なんじゃないかなって。

あ、もっとしっかりとしたレポート記事があるので、もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!

#記事広告ナイト 参加レポート|坂井 彩花さんnote

記事広告に必要なセールスとライターのコミュニケーションとは|ferret

 

あと、内容には全然関係ないけど、飯高さんの佇まいと発言と。何から何まで超イケメンでした!まさかferretの方だったとは。

ますますferretが好きになりました(`・∀・´)

シェアしてくれたら飛んでよろこびます(`・∀・´)

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